第17章 美女、兄貴と一杯飲もう

「そりゃそうよ」南条葵が鼻で笑った。「不破家ってどんな家柄だと思ってんの? 沢渡家なんて蒼海市ですら大した顔できないくせに、不破家に取り入ろうとか……寝言は寝て言いな」

「でもね……」南条葵はふっと声音を落として言葉を継いだ。「結菜。沢渡家が不破家に目をつけたってことは、帝都で何か仕掛けてくるかもしれない。気をつけて。あいつら一家、腹の底が真っ黒よ」

神崎結菜は湯呑みを置き、淡々と言った。

「今日、オークションで会った」

南条葵が目を丸くする。

「えっ? 沢渡詩織が帝都に来てんの?」

「うん」結菜は小さくうなずいた。「不破グループの副社長に付き添ってオークションに来てて、たまたま...

ログインして続きを読む