第18章 艶めかしい?

「そんな冷てぇこと言わねえでさ」

男はそう言いながら、神崎結菜の肩へ手を伸ばした。

触れるより先に、男の手首が掴まれる。

「彼女は言った。出て行けってな」

いつの間にか卓のそばに立っていた不破蓮が、細く長い指で男の手首を押さえていた。力は誇示していない。なのに、相手は身動きひとつできない。

「いっ……!」

痛みに男の酔いが一気に引く。顔を上げ、不破蓮の顔を認めた瞬間、血の気が失せた。

「ふ、不破さん……」震える声で、男は頭を下げる。「すみません、まさかその方が不破さんのお連れだとは……! 今すぐ出ます……!」

不破蓮が手を離すと、男は転げるように去っていった。

店内が、すう...

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