第25章 お前、死にたいのか?

橘拓海が先導し、不破蓮はわざと歩調を落として神崎結菜が並ぶのを待った。気づかれないように彼女を階段の内側へ寄せ、さりげなく庇う。

上りきる途中、ちょうど下りてきた客が慌ただしくすれ違いざまに結菜へぶつかりかけた。不破蓮は反射で彼女の肩を抱くように手を添え、もう片方の手で相手を制する。

相手は不破蓮の顔を認めるなり、慌てて身を引いた。

振り返った橘拓海がその一幕を見て、艶っぽく笑う。

「もう守りに入ってんの?」

不破蓮が横目で睨む。

「くだらねぇ」

結菜は視線を泳がせ、聞こえなかったことにした。

三階。カイザー・ルームの扉は半開きで、中は煙と酒の匂いが渦を巻いていた。

部屋の...

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