第31章 恥ずかしい

「まあ、これって不破さんじゃない?」

南条葵の声は、隠しきれない高揚で弾んでいた。

「すごい偶然!」

「不破さん」

神崎結菜は目をわずかに見開き、意外そうな気配を滲ませながら小さく会釈した。

不破蓮は結菜の前まで歩み寄り、彼女の手元の画集に視線を落とす。

「絵を選びに?」

「うん。母の誕生日プレゼント」

結菜は画集を閉じた。

「奇遇だな。俺も贈り物を探しに来た。よかったら一緒に見ない?」

横で南条葵が、目をひんむいて必死に合図を送る。結菜が答えるより早く、葵が食いついた。

「いいですいいです! 人が多いほうが楽しいし!」

不破蓮は結菜を見て、返事を待った。

「……分...

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