第32章 あなたたちはさすが親友だ

食事が終わるころには、南条葵はすっかり出来上がっていた。

神崎結菜の肩にもたれかかり、まだぶつぶつ言っている。

「結菜ぁ……もう蹴らないでぇ……言わない、言わないからぁ……」

神崎結菜は言葉を失いながら彼女を支えて店を出た。夜風が頬を撫でた瞬間、南条葵はさらに足元が怪しくなる。

不破蓮が手を伸ばし、神崎結菜の腕をそっと支えた。

「気をつけて」

その声に反応したのか、神崎結菜の足がつるりと滑る。体が横へ流れた――次の瞬間、不破蓮が腕を引き寄せ、彼女を抱き込むようにして踏みとどまらせたまま、南条葵まで支えきる。

冷たい夜気の中で、冷杉のような匂いがふっと広がった。

「大丈夫?」

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