第35章 情けない腹

近藤建夫の顔から、さっと血の気が引いた。

神崎結菜は眉を吊り上げて彼を見据える。

「去年の12月、会社の口座から800万が送金されてる。用途は『設備購入』になってるけど、購買部にはそんな発注、そもそも存在しない」

書類を指先でとん、と叩く。

「ねえ近藤部長。この800万、どこに消えたの?」

近藤建夫は膝が笑い、今にもその場に崩れ落ちそうになった。

「や、矢野真一に脅されたんです……俺の意思じゃなくて……!」

反射的に、矢野真一へ罪を押しつける。

神崎結菜は鼻で笑う。

「その台詞は、警察に向かって言えば?」

そのとき、会議室の扉が勢いよく開いた。制服姿の警官が二人、ずかずか...

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