第53章 私たちは終わった

しろからメッセージが届いた。

【ボス、木村さんが前に受けた暗号化通話、発信元は織田香織です】

神崎結菜はスマホをスクロールする。織田香織の口座には、少し前に5,000万の入金記録。海外のペーパーカンパニー経由で、資金の出どころは――。

証拠資料を最後まで読み終えた瞬間、結菜の瞳の奥がすっと冷えた。

翌日。神崎結菜は家に戻った。

ちょうど兄と神崎家の両親がそろっている。

結菜の姿を見つけるなり、神崎清美が手招きして、慈しむように笑った。

「結菜、おかえり。もうご飯は食べた?」

「不破家で済ませた」

結菜はソファに腰を下ろすと、書類の入った封筒を神崎景介の前へすっと押し出した。...

ログインして続きを読む