第59章 歪な瓜と割れた棗

「いいよ。あなたは仕事に戻って。運転手さんに送ってもらうから。待たせたら悪いでしょ」

神崎結菜はそう言って、不破蓮の背中をぐいぐい押し、外へ追い立てる。

ドアの外へ押し出された不破蓮は、目尻に困った色を滲ませた。

「家に着いたら連絡しろ。車も手配しておく」

「はーい。ほんと、くっつきたがりの彼氏だね~」

不破蓮がくつくつと笑った、その瞬間。

彼はふいに結菜の手首をつかみ、くるりと身を返して抱き寄せた。

神崎結菜は一瞬息を呑む。迷ってから、彼の腰に腕を回し、すぐにぱっと離れた。

「……もう。ほら、早く行って」

翌日。空はよく晴れて、陽射しがまぶしい。

神崎結菜が研究室に着く...

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