第64章 愛する者に関わるものまで սիրす

午後、南条葵は退院の手続きを済ませると、三人で病院の正面玄関を出た。

不破蓮が車を寄せ、窓を下ろす。

「せっかくだから何かうまいものでも食べに連れていくつもりだったんだが、その調子じゃ大変だろ。今日は先に家まで送るよ」

南条葵は腰をかがめて車に乗り込んだ。

「ありがとうございます、不破の若旦那」

「気にしなくていい」

不破蓮はエンジンをかけ、バックミラー越しに彼女をひと目見る。

「君は結菜の友達だからな」

南条葵はシートにもたれ、前に座る二人の背中を眺めながら、ゆっくり口元を緩めた。

――この男、ほんとにいい男だ。

道中、神崎結菜は神崎徹に電話をかけた。

「二哥、南条葵...

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