第68章 追突

「結菜、見た!? 宗方グループの株価、落ちたよ! プロジェクトが三つも差し押さえられたって! あんたの男、手が早すぎない?」

南条葵は笑いが止まらない。

「私さ、あの録音を送ったとき、彼『了解』って言っただけだったから、正直スルーされるかと思ったの。なのに三時間もしないうちに、宗方明、泣きたくても泣けない顔してるはず!」

神崎結菜は唇の端をほんの少し上げた。

「うん。見た」

「え、それだけ?」南条葵は不満げに声を尖らせる。「少しくらい感動したって言いなよ!」

「やったのは彼だし。私が何か言う必要はない」

「ちぇー」南条葵は舌打ちする。「あんたら、ほんと……どっちもどっちで意地っ...

ログインして続きを読む