第74章 手を加えた

不破蓮は電話を切ると、ふと視線を巡らせ、その先に神崎結菜の姿を見つけた。深い色をたたえた瞳が、すっと和らぐ。

「結菜」

不破蓮はそのまま彼女のほうへ歩いてきた。

「どうしてここに?」

「講義終わりを迎えに来た。行こう」

そう言って自然に神崎結菜の手を取り、自分の車へと導く。

「今日の午後、授業ないんだろ」

「うん」

「じゃあ、俺に付き合って飯」

神崎結菜は思わずくすっと笑った。

「迎えに来たんじゃなくて、私を捕まえてご飯に付き合わせに来たんじゃないの?」

不破蓮は口元をわずかに持ち上げる。

「だめか?」

「もちろん、いいよ」

30分後、黒のベントレーがイタリアンレ...

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