第77章

「もうだいたい仕上がってる。最後にエンジンをもうひと調整ってとこだな」

改造車の話になると、神崎徹の目はたちまち輝きを増した。

「今回はかなり奮発したんだぜ。R国から限定モデルのエンジンを一本引っ張ってきた。性能は文句なしで最高クラスだ。どうだ、見に来るか? 来週の土曜がレースなんだけど、チケット取っといてやるよ」

「いいよ」

三十分後、黒のパガーニが一軒の日本料理店の前で静かに停まった。

神崎徹は慣れた足取りで扉を押し開け、予約名を告げる。店員はすぐに頭を下げ、二人を奥へ案内した。

廊下を進み、店員が個室の引き戸を開ける。

そのとき、隣の個室の扉が不意に開いた。

中から沢渡...

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