第98章

「どうして彼女、出ていったの?」神崎結菜が興味深そうに訊いた。

「3年前に辞めた。行きたい国に移住するって言ってな。確かR国に行ったはずだが、詳しいことまでは知らない」不破蓮は落ち着いた声で答える。

「R国……? 私たちが前に当たった研究室もR国にあったよね。何か繋がってたりしない?」結菜は眉間に皺を寄せた。

不破蓮は一瞬言葉を失って彼女を見つめ、確信のないまま首を振る。

「分からない。あの人が出ていったのも、祖母に何かあってから1か月後だった。あの頃は家の中がごたごたで、俺もそこまで気が回らなかった」

「だったら、先に調べてみたほうがいいよ。何もなければ、それが一番」

不破蓮が...

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