第36章

個室の扉が乱暴に押し開けられ、晴臣のボディーガードたちが雪崩れ込んできた。今にも朱月が捕らえられそうになった、その時だった。

間一髪のところで、黒いスーツに身を包んだ冷徹な表情の男二人が、残像を残すほどの速さで扉の外から閃くように現れた。

相手がどう動いたのかさえ視認できなかった。気勢を上げていた数人のボディーガードたちは、瞬く間に低い唸り声を上げ、崩れ落ちるように床へ沈んだ。

朱月には彼らに見覚えがあった。

あの日、ホテルで圭介が誘拐犯を処理するために呼び寄せた人間だ。

彼らは床に倒れた晴臣や、呆気にとられている蓮司を一瞥もしなかった。径直に朱月のそばまで歩み寄ると、そのうちの一...

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