第41章

圭介の車が滑らかにオークション会場の専用車寄せに入り、レッドカーペットの敷かれたエントランス前で静かに停止した。

朱月の視線はフロントガラスを抜け、見慣れた黒いベントレーを瞬時に捉えた。

大志の車だ。

助手席のドアが開く。最初に目に飛び込んできたのは、すらりと伸びたふくらはぎだった。続いて、紗奈が優雅な身のこなしで車から降り立つ。

燃えるような真紅のタイトドレスを纏った彼女は、小走りで運転席側へと回った。

大志が車を降りるや否や、紗奈は彼に自分の手首を突き出した。そこには何も着けられておらず、目を凝らさなければ見えないほどの微かな引っ掻き傷があるだけだ。

「あなた、ごめんなさい…...

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