第48章

朱月の指先は氷のように冷たかった。

拒絶することも、罵り合うことも、この画稿を粉々に引き裂くこともできたはずだ。

だが、その後はどうなる?

彼は彼女をあの豪邸に連れ戻し、言うことを聞かない所有物として閉じ込めるだろう。

腹の中の子も、そんな荒療治には耐えられない。

利害を天秤にかけたところで、それはどちらの毒を煽るかという選択に過ぎないのだ。

朱月はついに、握りしめていた拳を解いた。

その動作だけで、全身の力が抜けていくようだった。

彼女は瞼を伏せて感情を押し殺すと、ただ淡々と机の上のラフ画を揃え、彼の前へと滑らせた。

杏沙ごときの三流の腕では、ラフ画があろうとなかろうと、...

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