第77章

……

翌日、オミネグループの新作発表会会場にて。

無数のフラッシュが絶え間なく焚かれ、朱月は眩しさに目を細めた。

最近世間を騒がせている「不仲説」を払拭し、オミネグループの株価を安定させるため、大志がこの公開イベントを画策したのだ。

彼はチャコールグレーのオーダーメイドスーツに身を包み、髪を一糸乱れぬよう整え、顔には標準的なビジネススマイルを貼り付けている。

彼の左手は朱月の腰を強く抱き寄せていた。その指がシルクのドレス越しに肉へ食い込むほどに。

それは慈しみなどではない。警告だ。

「笑ってくれよ、愛しい妻」

彼は耳元でそう囁いた。傍目には、仲睦まじい夫婦の姿に映ったことだろ...

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