第107章

数千億の時価総額が、採算度外視の膨大な売り注文の前に、太陽に晒された氷雪のごとく狂ったように蒸発していく。

普段はふんぞり返っているエネルギーの巨頭、アシュトン一族の生命線であるキャッシュカウたちは、今や皮を剥がれた仔羊の群れのように、資本のミンチ機の中で声なき悲鳴を上げていた。

「イカれてる」

周防緋音は白川和夜の背後に立ち、モニターに映る血のように赤いローソク足を見つめながら、ぽつりとそう呟いた。

彼女とて、この裏にある操作のロジックを理解していないわけではない。

肉を斬らせて骨を断つ。

いや、これでは骨を断たせて肉を斬るようなやり方だ。

白川和夜は、自らの莫大な実弾を犠牲...

ログインして続きを読む