第108章

ディーリングルームは死んだように静まり返っていた。

白川和夜は振り返らない。

「奴の手下は、もう屋敷の外まで来ているはずだ」

「第一局は奴の負けだ。だが、追い詰められたギャンブラーは何をしでかすか分からない」

白川和夜はゆっくりと椅子の背もたれに体を預けた。

「奴にはできない」

「いいえ、やるわ」周防緋音は彼のそばへ歩み寄り、滝のように流れるデータ群へと視線を落とした。「奴の背後には『星火』がいるから。そして『星火』は、場をかき乱すための犬として奴を必要としている」

「奴らが見たいのは一方的な虐殺じゃない。二匹の獣が檻の中で殺し合う姿よ」

白川和夜はついに顔を向け、傍らに立つ...

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