第61章

市役所の入り口に到着した。

車が止まるやいなや、周防緋音は真っ先に車を降りた。

それを見た辻本十流も続こうとしたが、緋音は彼に背を向けたまま手を挙げて制止した。

「あなたは車の中で待ってて」

辻本十流は言葉を詰まらせ、恨めしそうに言った。

「なんだよ、俺が邪魔だとでも言うのか? 復縁の妨げになるからって?」

「お願いだから、これは離婚よ。復縁ドラマじゃないの。辻本十流、少しは真面目にして!」

緋音は毛を逆立てた猫のように怒り、悔しげに地団駄を踏んだ。

辻本十流は「……」と黙り込む。

緋音はドアを閉めると、運転席に向かって念を押した。

「運転手さん、私の許可が出るまで、絶対...

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