第62章

天宮惠良が契約書にサインを終えると、それまで渋っていた他の投資家たちも雪崩を打ったように続いた。

口座にはすぐさま入金があった。

あの酒席で三十本もの酒を空けたことが、まさかこれほどの巨額の資金に化けるとは、夢にも思わなかった。

これで会社が作れる。

「会社の立ち上げについて、お前はもう心配しなくていい。経営権の手続きも、残りのオフィス選定も俺がやるから……」

辻本十流はそう言って笑い、全ての業務を請け負った。その屈託のない笑顔に、周防緋音は呆れつつも同意した。

「わかったわ」

「数日は家でゆっくり休んでてくれ」

彼の悠々自適な様子に、緋音も素直に頷くことにした。

資金さえ...

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