第71章

耳に馴染みすぎたその声に、心臓が凍りつく。

彼は私を気遣ってなどいない。これまでも、そしてこれからも。

周防緋音は何も答えず、通話終了ボタンを押した。

その瞬間、腹部を雑巾絞りにされるような激痛が再び襲ってきた。これまでのどの痛みよりも激しく、鋭い。

「ねね、どうしたの? またお腹が痛むの?」

小林が熱々の黒糖生姜湯を運んできたが、ベッドの上で小さく丸まっている緋音の姿を見て驚き、慌ててカップを置いて駆け寄ってきた。

周防緋音は痛みで声も出せず、ただ微かに首を横に振るのが精一杯だ。

小林が背中をさすりながら促す。

「さあ、これを飲んで体を温めて」

ピリッとした辛味のある暖流...

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