第83章

ニンフェンブルク宮殿で、彼が誇りとしていた全ては、あの女によって足蹴にされ、粉々に踏み砕かれた。

「お跪き」

階段の上から、老婦人の虚弱ながらも威厳に満ちた声が降り注ぐ。

白川和夜が顔を上げると、小林に支えられた祖母の姿があった。かつて見たこともないほど失望しきった眼差しが、彼を射抜いている。

和夜の膝がわずかに動いたが、彼はその場に踏みとどまった。

「お祖母様、俺は間違っていません」

彼の声は掠れていたが、そこには強情な響きがあった。

「ずっと騙されていたのは、俺のほうなんです」

「たわけが!」

老夫人は怒りに身を震わせた。

「まだ自分の過ちに気づかないのか!」

「俺...

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