第91章

そう言い捨てて、彼は背を向け、去っていった。

レストランに静寂が戻る。だが、招かれざる客の出現によって、空気はより一層、張り詰めたものになった。

「奴には近づくな」

白川和夜の声が、冷ややかに沈む。

「アシュトン家の人間は、骨の髄までしゃぶり尽くす政治のハイエナだ」

「聞いていると、あなたも彼らと大差ないように思えるけれど」

周防緋音は素っ気なく言い放つ。

白川和夜は言葉を詰まらせ、意外にも反論しなかった。

数秒の沈黙の後、彼は唐突に切り出した。

「ワシントンへ発つ前に、君には『星の火』の初期データ統合を完遂させるための、絶対的に安全な場所が必要だ」

「ネクサス株式会社の...

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