第95章

「法と道徳という、決して解くことのできない絶対的な枷を、それに嵌めるために」

「この枷を創り上げるには、ここにいる皆様の手が必要なのです。私と共に、その担い手となっていただきたい」

「私が今日ここへ来たのは、皆様に兵器を売り込むためではありません」

「私は皆様を招待しに来たのです。私と共に、この新時代のルールメイカーとなる未来へ」

 室内は、水を打ったように静まり返っていた。

 伊東志馬は彼女を見つめていた。その眼鏡の奥にある瞳には、初めて心からの、偽らざる賞賛の色が浮かんでいる。

 彼は顔を巡らせ、隣に立つ白川和夜へ声を落として囁いた。

「お前の元妻、なかなかやるな」

 白...

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