第99章

周防緋音は口を閉ざしたまま、先ほど強制的に遮断された衛星監視映像を呼び出し、最後の数フレームに映るノイズの砂嵐を、何度も何度もスロー再生していた。

彼女は探しているのだ。影に潜む何者かの手がかりを。その正体へと繋がる、ほんの僅かな糸口さえも見逃すまいとして。

「無駄骨だ」

氷のような声が、その作業を制した。

「二十六年もの間、虎視眈々と布石を打ってきた相手だ。こんな場所に低俗なボロを出すはずがない」

白川和夜は反対側のコンソールに歩み寄ると、冷え切った天板に両手をついて体を支えた。

「今やるべきは、姿の見えない亡霊を追い回すことじゃない。タガの外れた目の前の猛獣に、もう一度手綱を...

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