第100話イザベラを許して

アストリッドはアーサーの執務室を後にし、いつものように外回りの業務に向かった。仕事を終えたちょうどその時、ヴィンセントから着信があった。

「ウッズ先生」彼女はまず自分から挨拶した。

「あと数日もすれば、君は私の弟子になるというのに」電話の向こうでヴィンセントは言った。どこか茶化して怒っているような口調だったが、その声には確かな親愛の情が滲んでいた。

「君本人はちっとも挨拶に来ようとしないのに、君の父親が先にやって来るとはな」ヴィンセントの声は依然として不機嫌そうだった。

だが今度は、本当に少し腹を立てているようでもあった。

「父が、先生のところに?」アストリッドは聞き返した。

「あ...

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