第103章シラスの贈り物

キャサリンは笑みを浮かべ、近くの人々と談笑していた。だがイザベラの表情に気づくと、化粧室へ行くと言い訳をして話し相手を立ち去らせた。それからイザベラのそばに歩み寄り、温かくも毅然とした口調で優しく諭した。

「イザベラ、今日はアストリッドがウッズ先生の弟子になる特別な日なのよ。姉妹なのだから、直接お祝いを言ってあげなさい」

イザベラの顔には不満と嫉妬の色が浮かんでおり、露骨に嫌がる態度を示した。

「お母さん」

「行きなさい」キャサリンはアストリッドの方へ視線をやり、イザベラの背中をそっと押した。

アストリッドはヴィンセントの傍らに立ち、普段なら関わることのないサイプレス・ベイの多くの有...

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