第176章レスキュー

監房の中央には、濁った水が溜まっていた。

アストリッドは、何があろうとそこへ入ることを頑なに拒んだ。

だが、背後にいた者が彼女を力任せに突き飛ばした。体勢を崩した彼女は、そのまま真っ直ぐ水の中へと転げ落ちた。

彼女は泳げなかったが、幸運にも水は浅かった。濁水を一口飲み込んでしまったものの、なんとか立ち上がることができた。全身ずぶ濡れで、見るも無惨な姿だった。

その痛ましい姿を目の当たりにして、オリバーは膝の力が抜けるのを感じた。

「アストリッド、絶対にここから連れ出してやるからな!」

そう叫ぶと、オリバーはミシェルに歩み寄り、その足元にすがりつくように膝をついた。「彼女を解放してく...

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