第7章
絵麻の視点
結婚式場は、私がこの手で創り上げた夢。
バラとシャクヤクに彩られた白いアーチが夕陽を浴び、至る所で金色のアクセントがきらめいている。芝生には白いリネンと金色の食器が並んだ円卓が広がり、すべてが計画通りだ。
ゲストが到着する三時間前、私はメインアーチの下に立っている。黒いドレスはシンプルで、プロフェッショナルなもの。由美には今朝、まるでお葬式に行くみたいだと言われた。たぶん、その通りなのだろう。
感情でこれを台無しにするわけにはいかない。私はプロなのだから。中心の飾りを直す手が震える中、自分にそう言い聞かせる。プロフェッショナル。バラの一輪一輪が、あの人を思い出させ...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
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