第6章

 和輝の言葉が途切れると同時に、宴会場全体が死んだような静寂に包まれた。

 衆人の視線が、一斉に良雄と真理奈へと突き刺さる。人混みの中で立ち尽くす二人の姿は、まるで晒し台に磔にされた彫像のようだった。その顔からは、血の気が完全に引いていた。

 真っ先に反応したのは真理奈だった。彼女はよろめきながら数歩進み出ると、両手を胸の前で強く握りしめ、震える声で弁解を始める。

「あ、浅野様、これは誤解なのです。わたくしと七海さんは旧知の間柄でして……ただ久しぶりにお会いできたので、昔話に花を咲かせようとしただけなんです。まさか、このような事態になるとは夢にも……」

 尻すぼみになっていくその声は...

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