第127章 アンドリューはチャールズだ

 夏が過ぎ、いつの間にか秋の気配が濃くなったころ――川崎綾人の怪我も、ようやくほとんど癒えていた。

 浅野莉緒は車椅子を押し、彼を連れて病院の裏庭の花壇沿いをゆっくり歩く。

「莉緒、もう本当に自分で歩けるって」

 川崎綾人が少しだけ顔を横に向け、いかにも困ったように言った。

「医者だって回復は順調だって言ってたし、そんなに神経質にならなくていいだろ。そもそも主な怪我は肩で、脚じゃないんだ」

「歩けるとは言ったけど、どれくらい歩いていいかまでは言ってないでしょ」

 浅野莉緒は淡々と車椅子を押し、垂れた枝を避けて進む。

「今のあなたに必要なのは休むこと。無理して格好つけることじゃな...

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