第129章 役立たずの群れ

 浅野莉緒が帰国すると決まった途端、川崎綾人はすぐに専用機の手配を進め、航路の申請まで一気に片づけた。

 それから2日も経たないうちに、一行は空港に揃っていた。

 川崎綾人と浅野莉緒が互いの気持ちをはっきり言葉にしてからというもの、ふたりの空気は驚くほど軽くなった。浅野莉緒も、帰国そのものにもう身構えなくなっている。

 ただひとり、最後尾をのろのろついてくる川崎春美だけが、まるで釘の上を歩いているみたいな顔をしていた。

「兄さん、ほんとに帰るの?」

 川崎春美はぐずぐずと歩幅を落とす。「パリに来て、まだ1年も経ってないのに……」

「うん、帰る」

 川崎綾人は振り返りもしない。

...

ログインして続きを読む