第13章 彼女はほかの男と一緒にいる

 それでも、彼の心をいちばん騒がせたのは――ひとりになったとき、脳裏で何度も巻き戻される光景だった。

 莉緒はベッドに横たわり、目を閉じたまま、彼のほうを見ようともしない。

 胸の奥が、じわりと疼く。

 最近の自分は……莉緒に、やりすぎだったんじゃないか。

 五年間。好きではなかった。けれど一緒にいる時間の大半は、少なくとも彼の記憶の中では穏やかだった。大喧嘩などしたことがない。せいぜい言い合いになっても、しばらくすれば彼女のほうから謝ってきた。

 それが最近は――小林莉那が戻ってきてからというもの、喧嘩ばかりだ。莉緒の言葉は急に鋭くなって、刺のある刃みたいに、ひとつひとつが胸を抉...

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