第149章 人が死ぬかもしれないって知らないのか

 川崎綾人が、ばっと立ち上がった。

 吉野結人はぎょっとして、反射的に半歩退く。

 だが次の瞬間、川崎綾人は一歩で間合いを詰め、吉野結人の襟元を鷲づかみにして乱暴に引き寄せた。

「俺が莉緒のことを気にしてないだと?」

 歯を食いしばり、一語一語を噛み砕くように吐き捨てる。

「最高の医者を手配した。検査結果は全部、俺が目を通してる。血圧、血糖、胎児の心拍、子宮底長……数値は全部、頭に叩き込んである」

 吉野結人の唇が、かすかに震えた。

「同じ血液型の血液も先に確保してある。何かあっても、俺が責任を取れるようにだ」

 川崎綾人はさらに力を込め、襟を引きずるようにして自分の目前へ引...

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