第150章 いくつかの話はどうしてもはっきりさせねばならない

 浅野莉緒が、果てしない闇の中をどれほど漂っていたのかはわからない。

 動きたいのに動けない。叫びたいのに声が出ない。

 ただ、自分の手がずっと、誰かの温かな掌にそっと包まれている――それだけが、確かな感覚だった。

 どれほど時間が経ったのだろう。ようやく、耳に言葉が届く。

「まだ目を覚まさないのか?」

「バイタルは安定しています。もう少し様子を見ましょう」

「もう1時間以上だぞ……」

「川崎さん、落ち着いてください。浅野さんは疲れが溜まっていただけです。もう少し眠らせてあげましょう」

 浅野莉緒のまぶたが、ぴくりと動いた。

 それに気づいたのか、握られていた手がきゅっと強...

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