第151章 お願いだから私のそばを離れないで

 浅野莉緒は、ほんの一瞬だけ黙り込んだ。

「怖いの?」

 ため息まじりに言う。

「待合室から私を引っ張り出したときは、ずいぶん大胆だったくせに」

 吉野結人の身体がびくりと跳ねた。顔を覆っていた手がゆっくり下り、真っ赤に充血した目があらわになる。

「ごめん、莉緒。俺のやり方が……」

 浅野莉緒は黙って彼を見つめ、続きの言葉を待った。

 けれど、どれだけ待っても、彼はそれ以上なにも言えなかった。

 浅野莉緒はもう一度、小さく息を吐き、視線を外す。

「吉野結人」

 吉野結人の指が、きゅっと縮こまった。

「入って。座って」

 彼女はベッド脇の椅子を指さす。

「少しだけ話す...

ログインして続きを読む