第153章 この件は必ず君に説明する

 吉野結人の唇が、ぶるぶると激しく震えた。しばらくして、ようやく声を取り戻す。

「お、おまえ……つまり……小林莉那が、アンドリューに俺を襲わせたって言いたいのか?」

 浅野莉緒は顔を背けた。

「私はそんなこと、一言も言ってない。そもそも、アンドリューがどうして急に私に興味を持ったのか……私自身、わからないの」

 吉野結人の顔色が、ほんの少しだけ和らぐ。

 だが、続く莉緒の言葉が、彼を一瞬で氷の底へ突き落とした。

「でも、ひとつだけ言えることがある。パリで、ようやく個展を準備したのに……アンドリューはそこに爆薬を仕掛けた。あの場で、私を攫うつもりだったのよ」

 吉野結人の瞳孔が、...

ログインして続きを読む