第159章 彼が資源を盗もうとしているなんて本当に知らない

 吉野結人は書類を一枚、また一枚とめくっていく。指先の震えは増すばかりで、顔色がじわじわと抜けていった。

 アンドリュー……。

 どのページにも、アンドリューの名がある。

 想像していたよりもずっとおぞましく、ずっと許しがたい内容だった。

 結人は、ただの「小林莉那の元彼」だと思っていた。国外から追放された犯罪者で、せいぜい心に問題を抱えた、少し厄介な男――自分とは縁のない存在だと。

 だが今、その名前は毒蛇のように書類にとぐろを巻き、行間から舌をちらつかせて、冷たい目で結人を見返してくる。

 アンドリューは世界中で獲物を探していた。若く、美しく、利用価値のある女ばかり。

 甘...

ログインして続きを読む