第163章 本当に羨ましいよ

 浅野莉緒はにこにことお腹を抱え、そこにいる小さな命をあやすように、ゆっくりと撫でていた。すると不意に、すぐ傍から若い女の声がかかる。

「こんにちは」

 浅野莉緒は顔を上げた。

 目の前に立っていたのは二十五、六歳くらいの女性だ。整った顔立ちで、笑うと頬に薄いえくぼがふたつ浮かぶ。作り物みたいに綺麗で、どこか人形めいて見えた。

「こんにちは」

 浅野莉緒は礼儀正しく会釈する。

 女性はそのまま自然に隣のソファへ腰を下ろした。

「さっき安藤社長とご一緒してるのを見かけたんですけど、社長のお友達ですか?」

「ええ。友達ですし、今はお仕事もお手伝いしてます」

 浅野莉緒が簡単に答...

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