第167章 彼女は流産した

吉野母は小林莉那に「考える時間は三日」と告げた。だが実際に与えたのは、きっちり半月だった。

 情けをかけたわけではない。

 その半月、彼女自身の体調がずっと思わしくなく、医師が何を言っても退院を許さなかったのだ。

 中島さんも「小林莉那の件はいったん置いて、まずはお身体を」と諭してきた。吉野母にできるのは、渋々うなずくことだけだった。

 ところが小林莉那は反省するどころか、騒ぎは日に日にひどくなっていった。

 本当は中島さんも、そんなことを吉野母の耳に入れたくなかったのだろう。けれど、隠し通せるはずもない。

 ようやく容体が落ち着いた途端、吉野母は中島さんに車を用意させ、小林莉那...

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