第169章 彼女は私の小林家の人間だ、お前に処分する権利はない

 小林莉那の涙が、また溢れ出した。

「未練があるんでしょ。手放せないんでしょ。口では愛してないって言いながら、あんたの心にはもう私の居場所なんてない。吉野結人、あんたは全部欲しがる! 浅野莉緒を妻にしたいくせに、私もそばに置いて、若い頃の後悔まで埋めようとしてる。欠けるもののない、綺麗で完璧な人生が欲しいんでしょ。でもね――あんたは何も手に入らない!」

 吉野結人の顔色が、じわじわと白くなっていく。

「浅野莉緒が惜しいくせに、私をそばに置いて、愛してるふり。私が手放せないから、今度は彼女を冷たくして、愛してないふり。どっちも欲しくて、どっちも離せなくて……で、結果は? 彼女は出ていった...

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