第170章 本気で俺がタダでお前の盛り上げ役をやってると思ってるのか?

吉野結人の身体が、びくりと震えた。

「おまえに何かあったら、吉野グループの株価は落ちる。おまえの母親が浅野莉緒と子供に遺した財産だって、全部影響を受けるんだ。自分のことはどうでもいいって言うなら勝手にしろ。だが――子供のことまで捨てる気か?」

 吉野結人は、その場で完全に固まった。

 どれほど時間が経ったのか。

 ふいに頬を、冷たいものが伝った。

 そっと指で触れて、ようやく気づく。

 いつの間にか、泣いていた。

 ――こんなはずじゃない。

 小林父のたった一言で、ここまで揺さぶられるなんて。

 それなのに、浅野莉緒の名が出た途端、涙が止まらなかった。

 理性は叫んでいる...

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