第171章 彼はいつも母親に心配をかける

 吉野結人は小林岳斗に床へ押さえつけられていた。顔面は血まみれで、口の端の裂けた傷からまだじわじわと血が滲む。左の眼窩は腫れ上がり、ほとんど開けない。

 頭の中がぐわんぐわんと鳴っていた。さっき小林岳斗が吐き捨てた言葉が、釘みたいに一本一本こめかみに打ち込まれていく。痛くて、膨らんで、息が詰まる。

 それでも、今はそんなことどうでもよかった。確かめたいのは、ただひとつ。

「俺と小林莉那をくっつけたの……わざとだったのか?!」

 小林岳斗は結人の腹の上に跨がったまま、荒い息を吐く。

 その問いを聞いた瞬間、ふっと笑った。

「当たり前だろ」

 首を傾げ、わざと挑発するような笑みを浮...

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