第172章 吉野結人、吉野グループへ復帰

 彼は、自分のそばにいてくれた人たち――自分を大切にしてくれた人たちを、ひとりずつ押しのけた。遠ざけた。二度と戻れない場所へ追いやってしまった。

 そのくせ今さらになって、ここ最近、母がひどくやつれていたことに気づく。白髪も目立つほど増えていたのに、自分の感情ばかりに囚われて、何ひとつ見えていなかった。

「母さん……」

 吉野結人の声が、ぶるぶると震えた。

「俺、間違ってた……本当に、俺が悪かった……」

 吉野母は手を伸ばし、結人の髪をそっと撫でた。幼いころ、熱を出して泣いていた彼を宥めたときみたいに。

「人はみんな、老いるし……いつかは死ぬのよ」

 囁くような声。

「でもね...

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