第176章 たぶん私があなたを愛しすぎたからだ

 川崎父はたまらず彼を横目でにらんだ。

「おまえに聞いてるんじゃない」

 川崎綾人はきょとんとする。

「え?」

「莉緒に聞いてるんだ」

 川崎父はため息まじりに続けた。

「家は見たって、おまえが答えた。広さは足りるって、おまえが決めた。気に入るかどうか、本人に聞いたのか?」

 川崎綾人は言葉を失い、口を開いたまま固まった。

 彼はそっと横を見た。浅野莉緒はうつむいていて、口元がわずかに弧を描いている。肩が小さく震えていて、笑いをこらえるのが苦しそうだった。

「莉緒」

 川崎父の声が、ふっと柔らかくなる。

「家のことは、あなたが決めなさい。綾人が選んだのが気に入らないなら...

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