第185章 私のことを思ったか

小林莉那ははっと顔を上げ、震える声で尋ねた。

「……彼、私を何で訴えたの……」

 父は鼻で笑う。

「おまえが前にやらかした件には触れてない。だが訴状には、これまでおまえに使った金を全部返せって書いてある。外で今、おまえがどう言われてるか知ってるか?」

 父は娘を、露骨な嫌悪を滲ませて見下ろした。

「腹をデカくして帰ってきたくせに、誰の種かもわからねえのを吉野結人に押しつけようとしてる、ってな。吉野結人は何だかんだ吉野グループの社長だ。戻ってきた今じゃ、昔の女遊びなんて『まあまあ』で済まされる。叩かれるのはおまえだけだ。流産しすぎて子宮までなくなっただの、売れ残りのボロだの、誰も欲し...

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