第197章 新米パパ

 車は揺れひとつなく、川崎綾人がS市に用意した新居へと滑り込んだ。浅野莉緒と子供を迎えるために、彼が心を込めて整えた――ふたりの、これからの家。

 庭付きの別荘で、内装も家具も、色味も配置も、すべて莉緒の好みに合わせてある。

 川崎綾人はまだ少し顔色の優れない莉緒を、慎重に車から支え下ろした。そのまま寝室へ連れていき、ベッドへそっと横たえさせる。

「よし。今日から君の仕事は寝ること。しっかり休んで、体を戻す」

 布団の端を整え、きっちりと掛け直す。

「産後のケアを甘く見ると、後で響く。食べたいもの、飲みたいもの、取ってほしいものがあったら全部俺を呼べ。歩きたいときも、必ず俺がつく。...

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