第20章 彼らはすでに新居の準備をしている

 それからもうしばらく吉野母の相手をし、相手の顔に疲れが見えたところで、莉緒は丁寧に挨拶して席を立った。

 まだ時間は早い。今日はいったん家に戻る気になれなかった。

 昨日、川崎綾人に「いつでもアトリエを見においで」と言われたのを思い出し、莉緒はスマホを取り出して電話をかけた。

 「今日、さっそく見学に行ってもいいですか」

 そう告げると、川崎綾人は電話口で弾んだ声を上げ、すぐに住所を送ってきた。

 それから三十分。

 莉緒が到着すると、川崎綾人はすでに入口で待っていた。

 姿を見つけた瞬間、ぱっと笑って駆け寄ってくる。

「来たか。どうだ? 体、無理してないか?」

「もうだ...

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