第212章 これからは縁を切る

 佐藤菜月は荒い息を吐き、感情はますます昂っていく。

「それに……弟よ。佐藤晴人! あいつ、知ってたのよ! あの狂った女がどこにいるか、知ってたのに、なんで私に言わなかったの? 言ってくれてたら、私だってとっくに安藤真哉が私を騙してるって気づけた! なのにあいつ、ずっと海外に逃げて、何も言わない……! あいつも私を騙してたのよ! みんな、みんな私を騙してた!」

 浅野莉緒はどうしていいかわからないまま彼女を抱きしめ、何度も背中を撫でてやる。慰めの言葉など見つからず、ただ一緒に涙を落とすことしかできなかった。

 ――そうだ。誰が想像できただろう。

 この一連の出来事の中心にあったのが、...

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